私は東京郊外のある町に住んでいますが、近くの川や池・公園に行って目を凝らしてみると、意外にたくさんの鳥や虫がみつかるのに驚かされます。
 そこには小さな生命が棲んでいて、毎日、餌を食べたり、遊んだり、恋愛をしたり、子育てしているわけです。こうした光景を見ていると、この町が決して人間だけのものではないという気がしてきました。
 それで、この小さな生き物のようすをブログで公開しようと考えました。できるだけ長く続けていきたいという気持ちでスタートしました。since 2008

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2009年08月

木星の撮影にフォサーズはかなり有利。

 カメラ雑誌などでカメラの画質の比較に普通に行われているのは、
 同じ画角=焦点距離で撮影した写真を比較することだ。
 例えば、

    フルサイズに焦点距離50mmのレンズ
    APS-Cに焦点距離31mmのレンズ(35mm換算50mm)
フォーサーズに焦点距離25mmのレンズ(35mm換算50mm)

 この比較は当然といえば当然なのだが、撮像素子が小さいフォーサーズが画質の面で高感度などで不利になるのは否めない。もちろんこの場合レンズは換算焦点距離は同じだが、同じではない。F値が同じとした場合、撮像素子が小さいほうが小さなレンズで済んでしまうからだ。
 
 では、それぞれのカメラに同じレンズを使った場合どうなるかということだが、話がわかりやすいと思うので、カメラレンズの代わりに望遠鏡を付けてみた場合を考えてみよう。
 口径25cm、焦点距離1200mmの反射型望遠鏡に1.4倍のテレコンをつけて、約1680mmとした場合なのだが、それぞれ、

   フルサイズは焦点距離=1680mm
   APS-Cは焦点距離=2353mm相当
   フォーサーズは焦点距離=3360mm相当
 
 ということになる。フルサイズに比べてフォーサーズは約2倍の拡大率で見ることができるということだ。
 
 ただし、拡大率が大きいということは、必ずしも解像度が高いということにはならない。撮像素子の大きさの問題があるからだ。それを考慮して、解像度を比較して見たのが次の表だ。ドットピッチは画素数横と撮像素子の横幅から計算したものだ。フォーサーズ1230万画素での木星のピクセル数=90は、E-P1の実写によるもの。その他はE-P1の数値と各カメラの画素数横幅から計算で求めた。おおかたの数字としては間違っていないと思う。


 機 種 名 有 効 画 素画素数横撮像素子横幅ドットピッチ1680mmでの木星横幅ピクセル数1680mmでの木星外接正方形のピクセル数
E-P1、E-301230万403217.30.004290675908100
50D1510万475222.30.004692761826771
E-3、E-5201010万364817.30.004742325816631
X21220万427222.20.005196629745522
D5000、D901230万428823.60.005503731704923
5D22100万5616360.006410256603629
D7001210万4256360.008458647462084

 フォーサーズの1230万画素のカメラの場合、木星の横幅が90ピクセルに解像されるが、1220万画素のAPS-Cでは74ピクセル、1210万画素のフルサイズでは46ピクセルにしか解像できないということがわかる。
 もちろん、同じ望遠鏡を使っているので、フォーサーズの画像は、望遠鏡が運んだ画像の一部を引き伸ばしているともいえるので、望遠鏡の解像力が低い場合、フォーサーズは画質が低下しやすいという面は考えないといけないが、木星のように小さく全体を表現するのに、大きなピクセル数を使うことが難しい対象物の場合、最終的な解像感は、フォーサーズが相当有利なのだといえるだろ。

 この表の例の実写は、下記のアドレスをご覧ください。先日、実際に25センチ反射型ドブソニアン望遠鏡でE-P1を撮影した時のものだ。条件がすさまじくよいという条件ではもないが、想像以上にしっかりした木星が撮れたのには驚いた。

 http://blogs.yahoo.co.jp/small_life_watcher/30503996.html
 
 望遠鏡の固定さえしっかりできればIS0200が使えるので、高感度ノイズを心配する必要もなさそうだ。
 フォーサーズは、木星に限らず、月のクレーターなどでも解像感の高い写真が撮れる可能性がある。

 中秋の名月も近いので、是非チャレンジしてみたいものだ。
 
 

E-P1は身近なスモールライフの撮影にバッチリ。

 E-P1を導入して、二月近く経った。

 ●使い方その1は、E-30のサブ機としての利用。

 被写体に合わせてレンズ交換が必要になることがあるが、カメラ一台では、そのたびにレンズ交換が必要だ。E-P1に別の焦点距離のレンズをつけるようにしておくと、レンズ交換の頻度が半分になって便利。アダプターは必要だが、フォーサーズのレンズは、すべてE-P1で使用できる。しかもAFが有効というのはたいへんありがたい。

 たとえば、E-30には70-300、E-P1にはM.ZUIKO14-42を付けて出かけたとする。
 焦点距離は、28-84、140-600。EC-14を併用すれば、28-118、140-850という範囲を網羅できる。
 近くの鳥を撮るのはE-30、風景や昆虫や植物を撮るのはE-P1というわけだ。

 遠くにカワセミを発見したとする。70-300では厳しい距離。半手持ちで写真をとるなら、E-30にBORGの45EDIIや77EDIIをつける。動画を撮るなら、E-P1にBORGを付けて三脚に載せて撮影。

 小さなハチやアブラムシ、テントウムシがでてきたら、E-P1では厳しい。E-30に50mmMCを付けて撮影。E-P1には70-300を付ける。
 
 ●使い方その2は、いつでもどこでも撮影。

 会社との往復途中や、昼休みにE-P1を持っているので、街の風景やちょっとしたオブジェ、花や虫などを撮ることができるようになった。たまに持って出るのを忘れたときに限って、おもしろい被写体に遭遇してしまったりしたので、可能な限り外出するときには持ち出すことにしている。
 
 最初、E-P1にはEVFがないので、マクロ的な撮影は難しいかなと思っていたが、実際はそんなことはなかった。MFにしておいてピントリングを回すと、MFアシストで画面が7倍あるいは10倍に拡大され、ピント合わせが非常に楽。AFではターゲットが小さい場合はピントを外すことも多いので、何枚か続けてとっておく。

 E-P1を持ち歩くようになって、シャッターチャンスが増えて、いろんな写真を撮ることができるようになった。これが最大の利点だろう。 

 もうひとつ面白いのはやはりハイビジョン動画だ。デジタル一眼に動画機能は不要で写真だけ撮れればいい、動画はビデオカメラに任せるべきという考え方の人もいるが、これは、写真しか撮らない、ビデオしか撮らないという人の意見でしかない。私のように両方を撮りたい人には、デジタル一眼でハイビジョンが撮れると非常に助かる。

 ●使い方その3は、鳥の超望遠ハイビジョン動画撮影。

 正直なところ、まだ、あまり鳥の撮影はしていない。カワセミに挑戦したが、すぐに逃げられて、たいしたものは撮れていない。撮れない理由に真夏は鳥がなかなか姿を見せないということがある。撮るほうも日中は暑くて気合が入らない。少し涼しくなってきたので、これから本格的に始めようと思う。E-P1にEVFがないので超望遠撮影は困難だろうと言う意見がある。たしかに、動き回るものを狙って撮るには光学ファインダの一眼レフが向いていると思う。しかし、トマリモノや動画の撮影となるとまた別だ、トマリモノを手持ちで撮るのは厳しいが、柵や一脚を使った半手持ち撮影は問題ない。動画の場合は三脚を据えるわけだからば、EVFの必要性は小さくなる。ピントあわせはライブビューの方が楽だ。ターゲットをフレームに入れる際に、ファインダーがあったほうがいいとは思うが、液晶モニタでも慣れれば特に問題はないはずだ。

 と、まあ、こんな状況だが、E-P1には非常に満足している。

外を見ていたシオヤアブのオス

イメージ 1

 ズーラシアにいたアブです。何の檻なのか覚えていませんが、ガラス窓にもたれかかって、動物をみていました(そんなわけないです。笑)。
 自然には透明の仕切りはないので、このアブは何で外に出られないのか戸惑っているのでしょうね。人間の作った環境は、はからずも生物の「トラップ」になっているということかな。この程度のことでは、アブが滅びることはないでしょう。
 西表島では道路のU字型側溝に亀が落っこちて上がれなくなって死んでしまうという「事故」が頻繁に起きるということで、側溝のところどころに道路へのなだらかな勾配の通路を作ったと聞いたことがあります。それを思い出しました。
 このアブは、ハエ、カなどを捕食するのだそうです。腹の先に白い毛の固まりがあるのが、オスの特徴だということです。
 しかし、E-P1はISO800でもノイズや色彩の低下、粒子の荒れが気にならないですね。フォーサーズの弱点はもうほとんど解消しつつあるようです。昆虫のような小さな虫には被写界深度の深いフォーサーズは有利ですしね。

撮影日時:2009年8月23日
撮影場所:ズーラシア
撮影機材:OLYMPUS E-P1 + M.ZUIKO 14-42mm(焦点距離84mm相当)
絞り:F5.6
シャッター:1/125
ISO:800
トリミング

去年と同じ樹にまたミンミンゼミ 2009年8月撮影

イメージ 1


 昨年の9月6日にミンミンゼミをこの樹で撮影しましたが、また見つけました。
 去年は、借り物のSONYのαだったのですが、今日はE-P1での撮影。てぶれ補正をオフにしたまま撮影したので、若干ブレているような気がします。まあ、このサイズなら気になるほどではないですが。

撮影日時:2009年8月28日
撮影場所:渋谷区
撮影機材:OLYMPUS E-P1 + M.ZUIKO 14-42mm(焦点距離84mm相当)
絞り:F5.6
シャッター:1/125
ISO:400

昨年撮影したミンミンゼミはこちらです。よかったら、比べてみてください。

http://blogs.yahoo.co.jp/small_life_watcher/16592921.html

E-P1で木星も撮ってみました。

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

 南東の空に木星が輝いていました。EC-14をつけて焦点距離をさらに伸ばして撮影しました。フォーサーズだと、3400mm相当です。
 2枚ともトリミングしていますが、等倍画像です。
 1枚目はシャッターを遅くした分、ガリレオ衛星も写りました。
 同時刻の衛星の位置をステラナビゲータで調べたところ、左下がイオ、右上は下がガニメデで上がエウロパ。カリストはもっと左側でこの写真からははみ出しています。4枚目の写真でカリストがうっすらと見えているのがわかるだろうか?
 木星の中央少し下に、目玉のようなものが見えるような気がしますが、おそらく大赤斑だと思われます。

 2枚目は5枚の写真をコンポジットすることで、ノイズが減り細部のディテールが改善されています。
 
 昨年の夏、P5100を使ってコリメート撮影を行いましたので、この写真を比べてみると、やはりコリメートでは、像は大きくなるものの、木星のディテールがあいまいになってしまっているのがわかると思います。この写真をみる限りは、条件さえもっとよければ、EC-20を使って、焦点距離を4800mmにするとさらに木星のディテールが見えてくるように思います。

 http://blogs.yahoo.co.jp/small_life_watcher/14049221.html

 E-P1は軽いので、望遠鏡につけても架台の負担が小さくなります。天体の撮影の場合、ファインダーは必ずしも必要ないし、フォーサーズの撮像素子なので実質的な焦点距離も長くなりますから、天体撮影に向いたカメラのように思います。正直、ここまで、木星のディテールが出るとは想像していませんでした。 


<1枚目>
撮影日時:2009年8月27日
撮影場所:町田市
撮影機材:E-P1 + EC-14+WHITYDOB25(焦点距離3400mm相当)
絞り:F6.7
シャッター:1/40秒
ISO:200
トリミング(等倍)

<2枚目 5枚の写真をステライメージ6でコンポジット>
撮影日時:2009年8月27日
撮影場所:町田市
撮影機材:E-P1 + EC-14+ WHITYDOB25(焦点距離3400mm相当)
絞り:F6.7
シャッター:1/160秒
ISO:200
トリミング(等倍)

<3枚目 6枚の写真をステライメージ6でコンポジット>
撮影日時:2009年8月27日
撮影場所:町田市
撮影機材:E-P1 + EC-14+ WHITYDOB25(焦点距離3400mm相当)
絞り:F6.7
シャッター:1/200秒
ISO:200
トリミング(等倍)

<4枚目>
撮影日時:2009年8月27日
撮影場所:町田市
撮影機材:E-P1 + EC-14+ WHITYDOB25(焦点距離3400mm相当)
絞り:F6.7
シャッター:1/20秒
ISO:200
トリミング(等倍ではありません)


*:この望遠鏡に絞りはありませんが、開放でF4.8です。EC-14を使ったので、F6.7になっています。
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